個展まえ
しばらくこの日記の更新もできずにすみません。
なにをしていたかというと、おもに苦しんでいました。
夏頃から、窯出しの結果があまりよくなく、化粧土や釉薬の濃度、窯の焚き方、思い当たるところを毎回改めてみるのですが、あまり改善されず、どうすればいいのかもわからない。でも作業をやめることはできないのでつくるのですが、やきものは最後の窯たきですべてが決まり、窯を出すまでそれもわからないので、今つくっているものたちも、やっぱりだめなんじゃないかと思ってしまうと、つくることも苦しくなり、でも立ち止まることもできない。
個展も注文もあるし、米も買わなければ、家賃も払わなけばなれない。
まただめかも→苦しい→ちょっとのあいだ逃避したい→個展、米、家賃 やめられない→まただめかも→苦しい、、、の日々でした。
でも、好きではじめたやきものを続けて来れたのも個展ができるのも、買ってくださるお客さんがいるおかげで、それで暮らしている。いいものをつくりたいといつも思ってるけど、いいもの、いい器ってなんだろう。。。料理が栄え、使いやすく、つい手にとってしまうもの、飽きのこないもの、見るとうれしい気持ちになるもの、、、? 本質に戻って、また新たな気持ちで向き合おうと思ったり、苦手で避けていたものをつくってみたり。
やきものをはじめて17年、ひと窯ごとに進歩していたいと思うけど、なかなかそうはいかず、ずっと同じ場所で足踏みしているような気持ちになります。
11月28日から福岡のフランジパニさんで個展があります。
こんなに苦しみながらの個展はたぶんはじめてですが、でもフラパニさんでの2年前の個展も4年前の初めての個展も、順風満帆では決っしてなく、けっこう忘れてるけど、悩んで悩んで出てきたものたちで、今までもこうやってつくり、それを今日まで続けてきたんだよなあと思ったり、はげましながらなんとかやってます。
ほんとのピンチはうまく行かないときじゃなく、うまく行って慢心しているときなんじゃないかと思い、まだ長い暗闇は明けそうにありませんが、そのなかで出てきたものたちを見ていただこうと思います。
つづく
おまけ
うちの庭にもちいさな秋
はえてる
でも 欠けてる
たぶん
走り回るので
壊される
落ちてるの発見
その後すべて倒されました
2013 夏 ナツ 懐
お盆も過ぎて、夏も終わりに近づいているはずなのに、連日の猛暑続きで、
なるべくイライラせず、なんとか暑さと仲良くできないかなあと思っております。
昨年、「夏にお世話になったベスト3」を紹介し、今年も引き続きお世話になってますが、2013年度版もまた違う角度からいってみます。
まずは、シルクのインナー。
2−3年前から、冷えとりをはじめて、体調もよく、もともと汗をかけない体質が、かけるように体質改善もされてきて、シルクすごいかも、と思いはじめ、靴下以外にもレギンスとか、インナーもシルクに切り替えるようになってきたら、
肌がつるつるになってきました。シルクはタンパク質でできているかららしいのですが。
真夏も洋服の下には必ずシルクを一枚着ていますが、コットンのインナーに比べて、さらっとしてて涼しく、汗をかいても肌にはりつかないし、シルクには消臭効果もあるので、汗臭くもならず、いいことばっかりで、もう手放せない。
ナイトウエアもシルクにしようと、ネットでいろいろ探したんですが、デザインが微妙で、、、
おばさんくさいかエロいかの二択に困りました。
湯たんぽを冷たんぽに。
冬にずっとお世話になっていた湯たんぽに氷水を入れて使ってます。
fashyというドイツのやわらかい素材の湯たんぽで、この時期一緒に寝てくれない猫を抱いてるようなやわらかさと重さにも癒されます。これがあるだけで、寝苦しい夜も快適です。
GONZALES solo piano Ⅱ
ラジオでかかっていて、いいなあと思って買ったCD。
全曲ピアノだけなんですが、クラシックとも、ジャズとも違う。ネオクラシックっていうのかな?
梅雨時のじめじめしているときも、これをかけると部屋の中の湿度が下がるような清涼感があり、
真夏には体感温度を下げてくれる。
秋にはちょっと寂しくなるのかなあ。
涼しくなる工夫をするのと、暑さを真正面から楽しんじゃうのと、どちらもあり。
甲子園の高校球児を見て、一緒に熱くなるのもいいです。
こないだ旅行したときに、そこの地元の高校の前を通りかかったら、グランドで野球部の子たちが夏休みに練習をしていました。
バットの金属音とか、かけ声とか、きびきび動く高校球児の姿とか、ちょっと高校時代を思い出したり、なんだか懐かしくて、立ち止まって見ていたら、
それに気づいた子たちが、こちらに向き「ちわっっす」「ちわっっっす」と元気な挨拶をしてくれ、
なんて素直ないい子なんだろうと、ぐっときてしまい、このまま練習風景を眺めていたい気持ちになりました。
やっぱり夏は高校球児。高校球児は夏が似合う。
ちょっとテレビで高校野球見てみよーって思いました。
ウルフと猫
Singoster LIVINGでの個展も終わり、GW前半は笠間のひまつりに友達のテントを手伝いに行ってきました。
お越し下さった方々、お買い上げ下さった方々、どうもありがとうございます。
お店の中で、ひとつひとつ手に取って悩んで下さる姿を見ているのは、とても楽しく、心から嬉しく思います。
みなさまのお気に入りのひとつになっていくといいなあ。
Singosterさんで期間限定のwebshopを予定しているんで、どうぞご覧下さいませ。
来月は、千葉 佐倉の川村美術館での にわのわに出店いたします。
昨年は、プレ開催で1日だけでしたが、今年は6月1日2日と2日間あります。
美術館のお庭の気持ちのいい空間で、美味しいものを食べ、お気に入りを探しにぜひお越し下さいね。
このほぼ月いちブログを読んでいると教えて下さる方が時々いてうれしい限りです。ありがとうございます。
なかなかマメに更新出来ない大きな理由は、写真が用意できない、デジカメの充電ができないからです。
もう10年以上前のデジカメですが、電池が単3電池2本入れるタイプなんですが、今時ふつうの電池なんか入れないらしいですね。
その電池を1本充電するのにまるまる1日かかり、2日ががりで電池2本の充電がやっと終わって、カメラにインして、デジカメの設定をしてると、だいたいその設定中に充電を使い切り終了します。
設定にものすごく労力を使うのか、充電器も10年選手なので寿命なのか、、、。
体力の限界です、 とつぶやきが聞こえたような気がして、すんっと切れます。
運がいいときだけ設定後数分間、写真を撮る余力が残され、そのときだけ写真を撮ることができます。
うちでは明治時代?というぐらい写真がたいへん貴重なものになっています。
という説明をしたのも、今日も充電完了後、設定中に無念に事切れ、写真が用意できなかったためです。
横たわるデジカメは、大銀杏を切り落としたウルフのように誇らしげにも感じられます。
朝目覚めると、最初に目に入るのは、猫の後頭部です。
私の左で枕に頭をのせ、私と同じ左を向いて寝ているので。
枕の真ん中のいいぐあいに窪んだところをあいつが使ってるので、私は端の盛り上がったところ。
寒い時期は、ベットに入るときに一緒に潜り込んできましたが、暖かくなってきてからは、寝るときはいないのに、朝になると目の前にいる。どのタイミングで入ってきて、どんなふうにベストポジションを奪っていくのか謎ですが、睡眠時間は十分なはずなのに、なんとなく熟睡できてない感じ。。。
でも、目覚め一番に猫の小さな後頭部が飛び込んでくるのはなかなかな幸せ。
クリスマスの朝目覚めると、枕元にプレゼントが置いてあって、わーっ みたいな。
毎日がクリスマスとも無理矢理考えられなくもないので、若干の寝不足は目をつむろうと思います。
その猫、私がデジカメに手を伸ばすと、身構えます。ウルフを警戒しているのでしょうか。
これから新しい充電器を買いに行きます。
翌日、充電できましたので、写真を追加。
GW 満喫中の軒の上の 縁(メス 3−6歳)。
こいのぼりを狙っているのか。
修理のはなし おかわり
ろくろをひくときには、コテを使ってつくっていきます。
お皿にはお皿用のコテ、カップにはカップ用のコテ、と用途によっていくつか揃えてます。
カップの内側の角をきっちり角張らしたいのに、角張らせられなくて、コテの使いが下手になったのかとショックを受けましたが、そういえば修業時代にコテを作ったとき以来、じっくり見てませんでしたが、土に設置する面が削れて、びっくりするほどがちゃがちゃでした。
削りのときに使うカンナはすぐ刃先が削れてしまうので、しょっちゅう研ぎますが、コテが削れると思ってませんでした。
15年も使ってるんですもん、そりゃあ当たり前。しかしよくこんなコテでひいてたなあと逆に感心もし、まとめて直すことにしました。
これはオペ終了後。
出番の多いお皿用、飯碗用、カップ用。
コテを直しながら、この時間好きだなあ、あれと同じだなあって思いました。
深夜に、玄関で1足1足靴の手入れをしながら、梅酒ロックをちびちび飲んでいるときと。
なんか英国紳士みたいだなあと自分にうっとりし、ウィスキーならもっといいんだけど、飲めないので、
梅酒ロックを傾けながら、時々氷がカランッとか崩れたり。
ベルベットの深紅のガウンをはおり、膝で眠っている猫をなでながら、ピカピカになった靴を眺め、うっとりします。
先日はビルケンシュトックの靴のソールの張り替えをしてもらいました。
履き込んだスエードはくったりしてるけど、ちょっときれいになって帰ってきました。おかえり。
こういう柄+柄の組み合わせをするとき、やっぱり血は関西人だなあと感じます。
ちなみに写真には写ってないけど、スカートも柄物。
もっとおばちゃんになったら、虎の顔面のあのセーターも着るようになるのでしょう。
2012 ああ買ってよかった
今年も残すところあと3日。
大掃除も年賀状もまだまったくの手つかずですが、それはそれ。コーヒーを飲みながらのんびり今年を振り返っておきます。
Horne cafeの「Hornetto」、うつわsousouの「オクリモノ展」にお越しくださいました皆様、心よりありがとうございます。
皆様それぞれの暮らしの中で、長く使っていただけるものになればいいなあと思います。
私も今年もいろんなものを買いました。
昔は買い物でずいぶん失敗をしてきたので、だいぶん上手になってきたと思います。
今は、本当に好きなもの、少し値段が高くても丁寧につくられたもの、長く使えるもの、そして自分の感性を磨いてくれるものを選ぶようになってきました。
そしたら買い物で発散するような余計な買い物もなくなりました。
家の中をぐるぐる見渡して、今年買ってよかったなあとしみじみ思ってるものベスト3を紹介します。
1つめは、水屋箪笥。
なかなかサイズのあうものが見つからず、初めてのネットオークションでドキドキ購入しました。
この子のおかげで、台所に行くのも料理をするのももっと楽しくなりました。
この嬉しい勢いがあるうちにと、となりに見える調理台をつくりました。
夏に林檎の木のワークショップで柿渋染めをならったので、調理台は柿渋で塗装しました。
側面は、縁(メス 推定3−6歳)の爪研ぎになっています。ねらいではなく、結果的に。
中央にどーんと見えるカッティングボードは遠藤マサヒロさんのものです。
使いやすく、デザインもよく、メインのまな板で使ってます。かなり使い込んでます。
2つめは、soup stock tokyoのレシピ本とハンディブレンダー。
前にもスープ作りにはまってることを書きましたが、このセットのおかげで続けていけそうです。
ごぼうのポタージュとか、ビシソワーズとか、以前は自己流で作ってたので、すごく重要なポイント(だと思う)だけど知らなかったこと、ごぼうはよーくよーく炒めるとおいしいとか、(その後スープで煮込むから、さっとしか炒めてなかった)
ビシソワーズにセロリを入れてるとか、そういう発想はさすが。おかげでぐんとおいしくなりました。
そしてハンディブレンダーがあると楽につくれます。
3つめは、萩原千春さんのポット。
10月の「工房からの風」で購入したので、まだ2ヶ月ぐらいですが、マットなブルーの釉薬に茶渋が入ってきていい具合に育っています。
茶こしもうっとりするぐらい細かくていねいにつくられています。
ポットや急須は道具なので、注器に力を入れて作ってる人のものがいいと思い、今は自分では作っていません。目詰まりせず、長く使い続けられるというのは、とても難しいと思うので、勉強させていただく気持ちで使わせてもらっています。
ほかにもいいなあと思う器は時々買ってみます。
器が好きというのもあるし、好きな作家さんのものに自分のものが合うかとか、使っていくうちにどういう変化があるのかとか。
最近とても思うのが、買ったときが一番いいものよりも、使っていくうちにより美しく変化していくものがいい、それが長く使いたいものになるんじゃないかと思い、私はまだまだ模索中ですが、そういうものをこれからつくっていきたいと思います。
今年一年 どうもありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
皆様 どうぞよいお年をお迎えくださいね。