[ 2012.08.03 : note]

暑中お見舞い申し上げます。

この家に暮らして10年、まだ新しい発見がありました。

この家の一番涼しいところを発見してしまいました。
家の、と言っても家の外なんですが、西側の台所の外に釉薬の原料置き場にして、釉薬を計量するスペースがあります。
雨に濡れないように家の壁続きに屋根をつくっただけのスペースですが、私のつくったへぼい波トタンの屋根に猫が飛び乗って遊び、今にも壊れそうだったので、少し前に強度補強のため、上にコンパネを敷きつめました。
家の中は若干暗くなったけど、まあしょうがない、これでしばらくは屋根ももつだろうと思ってました。

35度の猛暑日、「家の裏 暑そうだなあ 行くのやだなあ」と、この夏はじめて裏の原料置き場に計量に行くと、
暑いどころか、涼しい。
この涼しさは昔おばあちゃんちにあった納屋の涼しさと同じでした。

おばあちゃんちは田舎の古い農家の大きな家で、入ると広い土間があり、そのまま土間が台所まで続いていて、台所は土間からも家の中からも食卓を囲めるようになっていて、このつくりが大好きでした。
おもてで遊んでどろんこで、家に上がらなくても、そのままごはんを食べて、また遊びにいける快適さ。
家の中で土足という、ちょっとわるいことをしてるような、うれしい感じ。
その台所を抜けると中庭のようなスペースがあり、納戸や納屋があって、外も家も暑いのに、納屋だけは薄暗くひんやりとしていて、風がよく通り、そこに竹の皮で編んだ寝椅子が一脚置いてあり、兄弟と取り合いでした。
私は若いころから古い家や家具が好きでしたが、たぶんこのおばあちゃんの家が好きだったからだと思います。


心地いいなあと涼しいなか釉薬の計量をしつつ、どのぐらい涼しいのか数字で知りたくなり、温湿度計を置いてみました。
エアコンを28度設定でつけている工房は温度が35度で湿度が45%、に対し、ここは温度30度の湿度60%。
涼しいはずだ。
しかも湿度もエアコンつけてるより高めで、風も強い日だったので、それが体にも優しく心地いいんだと、
いやあすごいなあ、すごい場所を発見してしまった。ここだったらエアコンつけなくても快適。ここで何しよう、ろくろは無理、釉掛けとかもスペース的に無理、サボってマンガ読むぐらいだなあ、なんかそれも夏っぽいなあ。
マンガも立ち読みになりそうな狭さですが、うちには涼しい納屋があります。いま冷蔵庫にはスイカも冷えてます。


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見せるほどすてきではない。



おまけ 

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縁側暮らしのコロちゃんのだらしない寝姿。(生きてます)
猫は涼しいところをよく知ってる。