[ 2014.12.02 : note]

あたらしい


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うちの前に、すごく大きなクスノキがありました。
大人ふたりが手を伸ばしてやっと届くぐらいに幹が太く、絵本にでてくるような立派な木で、ひそかにバオバブと呼んでいました。
大きくのびた枝からたくさんの葉っぱが落ち、まわりから苦情があったようで、ここ2、3年、短く枝葉を刈り込むようになり、床屋帰りの髪型みたいになっていました。(上の写真。前はもっと雄大な姿でした。)

家の中からもよく見えるので、その厳かな姿にはげまされたり、夜、人がいないのを確認してハグしたり、バオバブと共に過ごしていました。

それが先月、道路の拡張工事のため、切られてしまいました。

その前に、なんとかならないもんかと、ここがだめならせめてほかの場所に移植してもらえないかと、市役所の土木課にお願いしてみましたが、やっぱり無理でした。
なにもできないならとにかく最期を見送ろうと思い、伐採の日、御神酒を供え、私も一緒にのみながら、一部始終見ていました。こんな大きな木が伐採されるのを見たのも初めてで、すごい迫力でした。
悲しいとか、寂しいとか、それだけじゃなく、生命を感じてか、大きな家畜を屠畜するのにも少し似ていたり、男たちが集団で狩りをしていた太古の記憶がよみがえりそうになったり、いろんな感情が混ざっていました。

バオバブがなくなっても、あたり一体はしばらくクスノキの香りに満ちていました。

夜、空には変わらず月がでていて、変わらないものがあるっていいなあと思いました。






つくるものは少しずつ変わっていきたいです。

成長はゆっくりだけど、まわりにいいものを作る人たちがいて、きっと眼だけは養われているんだろう。
嫉妬することはない、そういう人がいるから、自分も成長できるんだろうと言い聞かせています。
今年もあと1ヶ月だけど、焦らなくていい。結果もいそがなくていい。もっと長いスパンで考えよう。
自分が本当につくりたいものってなんだろうと日々問いかけながら作っていきたいです。



あたらしい釉薬。みどりと藤色。

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まだテスト中ですが、1月のanjicoさんの個展にお披露目できますように。